令和3年10月1日に施行された「脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律」で、法の対象が公共建築物から建築物一般に拡大しました。また、農林水産省の特別の機関として木材利用促進本部が設置され、10月は「木材利用促進月間」として法定化されました。
木材を使うことは、環境にも、暮らしにも、いいことがあります。
木は二酸化炭素(CO2)を吸収し酸素(O2)を放出して、炭素(C)を体内に蓄え、成長します。《炭素貯蔵効果》
その木を建物や木製品として利用することで、その間は、二酸化炭素を放出することなく蓄え続けます。《炭素貯蔵効果》
そして、伐採した跡地にまた適切に木を植えることで、その木はまた二酸化炭素(CO2)を吸収し成長していくという、森林のサイクルが保たれ、地球温暖化の防止にもつながっているのです。
また木材は、鉄等の資材に比べて、製造や加工に要するエネルギーが少ないので、二酸化炭素の排出量を抑えることができます。《省エネ効果》
そして木材は燃料として利用しても、大気中の二酸化炭素濃度に影響を与えない「カーボンニュートラル」な特性を有しており、
化石燃料の使用による二酸化炭素の増加を抑えることができます。《化石燃料代替効果》
積極的に木材が利用されれば、健全な森林の整備を進めることができ、森林はバランスのとれた状態となって多面的機能の維持が可能になります。
森林の多面的機能(イメージ図|引用:政府広報オンライン)
森林の産物である木材は、人に優しい素材です。
内装木質化による効果も検証されています。
【心理面の効果】 |
①リラックス・癒し効果 ②心地良さ・落ち着き感を高める効果 ③愛着心を高める効果 ④モチベーション・積極性を高める効果 |
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【身体面の効果】 |
⑤免疫力アップの効果 ⑥感覚を刺激する効果(リフレッシュ・覚醒効果) ⑦疲労感を緩和する効果 ⑧安全性向上の効果 ⑨良い眠りを引き出す効果 |
【衛生面の効果】 | ⑩湿度を調節する効果 ⑪消臭や抗菌の効果 ⑫ダニの防除効果 |
【学習・生育面の効果】 | ⑬子供の集中を助ける効果 |
【生産性の効果】 | ⑭作業性・業務効率を高める効果 |
【社会貢献の効果】 | ⑮地球環境改善に貢献する効果 ⑯地域経済に対する波及効果 |
(引用:公益財団法人 日本住宅・木材技術センター「内装木質化した建物事例とその効果 -建物の内装木質化のすすめ-」)